【ポストカード】コレクション51 蒔絵

ポストカード

蒔絵のポストカードを集めました。
《国宝 浮線綾螺鈿蒔絵手箱》、松田権六、象彦(八代西村彦兵衛)の計4点です。

《国宝 浮線綾螺鈿蒔絵手箱》


《国宝 浮線綾螺鈿蒔絵手箱》, 13世紀, サントリー美術館

サントリー美術館の所蔵品です。ずっしりとした蒔絵手箱です。

昔話のなかでしか「手箱」という単語になじみがないので一応おさらいすると、手箱とは化粧道具や筆記具などの手まわりの小道具などを入れておく小型の箱を指します。
精緻な細工で格調高く仕立てられ、嫁入り道具、観賞用、神宝として大事にされた手箱のなかには、保存状態がよく現在も輝きを失っていないものがあります。

この手箱は螺鈿によって円形花文が等間隔で表わされています。そのきらきらしいこと!円形花文は蓋の部分をよけた形にすることもできたはずですが、重なるようにしているところにこだわりを感じます。

(参考資料:サントリー美術館ウェブサイト 名品ギャラリー > 浮線綾螺鈿蒔絵手箱)

松田権六《草花鳥獣文小手箱》


松田権六《草花鳥獣文小手箱》, 1919年, 東京藝術大学大学美術館

松田権六は「漆聖」とも称えられた日本の蒔絵師で人間国宝です。
1919年・23歳のときに東京美術学校(現東京藝術大学)漆工科を卒業。「大正八年三月卒業生 松田権六作」と銘があるとのことですので、この作品は卒業制作でしょうか。

草原を走る鹿、鳥、兎が伸びやかに描かれています。輪郭線から少しずらした塗り方が現代風です。ただただかわいい。

(参考資料:東京藝術大学大学美術館収蔵品データベース)

象彦(八代西村彦兵衛)《両替年代記蒔絵硯箱》


象彦(八代西村彦兵衛)《両替年代記蒔絵硯箱》, 昭和時代初期, 三井記念美術館

2020年に三井記念美術館にて開催された「三井家が伝えた名品・優品」で購入したと思しきポストカードです。

象彦の八代彦兵衛は、漆器の輸出を行い「漆器貿易の先駆者」と呼ばれました。また、宮内省の御用のほか、三井家や住友家などの御用も受け象彦を発展させました。1926年には京都美術蒔絵学校を設立し、後進の育成にも尽力したそうです。

この蒔絵硯箱は三井家10代三井高棟氏の三男、高維氏の経済史研究書出版記念品として制作されたとのことです。

わかりにくいですが、このポストカードの上部が箱を開けた硯部分です。小さなそろばんが埋め込まれています。実際に使えるのかしらん。
このポストカードの下部が蓋の裏です。本物の慶長小判などが象嵌されています。

その他にも細かい部分に金貨銀貨の意匠があり、両替商だった三井家を象徴するデザインになっています。

(参考資料:京漆匠 象彦ウェブサイト 象彦の歴史)

象彦(八代西村彦兵衛)《四季蒔絵香合》


象彦(八代西村彦兵衛)《四季蒔絵香合》, 大正~昭和時代初期, 三井記念美術館

同じく「三井家が伝えた名品・優品」で購入したポストカードと思われます。

湯浅華暁、上島光波、北村春照、竹中微風、山田楽全、一色春甫との合作とのこと。
四季を表す草花が描かれた、ころんとした香合です。左から2番目の香合は、他の香合が映りこんでいますね。

次回は鳥をかたどった作品のポストカード紹介をしようと思います。

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