【ポストカード】コレクション53 ブロンズのいまむかし

ポストカード

ブロンズという切り口で古今東西バラバラに選んだポストカードです。
中国古代の鴟鴞卣、ディエゴ・ジャコメッティ《猫の給仕頭》、小畠廣志《ユニコーン》、フランソワ・ポンポン《バン》の5点です。

《鴟鴞卣 戈卣》


《鴟鴞卣 戈卣》, 商後期, 泉屋博古館

戈卣(かゆう)とよみます。蓋と器内底に「戈」の銘をもつためそう呼ばれているそうです。鴟鴞(しきょう)とはフクロウの類のこと。

フクロウさんが2羽、背中合わせになっています。ずんぐりとしていてかわいい。脚のがっしりとした太さはさすが猛禽という感じです。

フクロウというと現代では賢者のイメージですが、中国古代では鳴き声が疎んじられ不吉と思われていたのだとか。
不吉なイメージである一方で、夜行性であるフクロウは死者を守護すると考えられていたためか、商代の墓から多く出土するそうです。

(参考資料:泉屋博古館ウェブサイト 青銅器館 > 第3展示室 > 戈卣)

《重要文化財 鴟鴞卣》


《重要文化財 鴟鴞卣》, 殷時代, 出光美術館

こちらも鴟鴞卣ですが、先ほどのものよりうんと古いものだと思われます。出光美術館の所蔵品です。

取っ手は失われており、ブロンズの輝きはわずかにしか残っていませんが、なんとすばらしい造作なのか!ウロコ状に表現された羽がとても美しいです。

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ディエゴ・ジャコメッティ《猫の給仕頭》


《猫の給仕頭》, 1967年, 松岡美術館

針金人間の彫刻で知られるアルベルト・ジャコメッティの弟ディエゴ・ジャコメッティの作品です。松岡美術館の所蔵品です。

説明不要な可愛さ……!!こんな給仕頭さんがいたら、いくらでも料理を注文してしまいそうです。

リニューアルオープンする前に松岡美術館に行きましたが、ミュージアムショップではマスコット的扱いだったかと記憶しています。

このレプリカ欲しいなぁ。アクセサリー置きとかに使いたいです。

小畠廣志《ユニコーン》


小畠廣志《ユニコーン》, 1974年, 個人蔵

2019年に武蔵野市立吉祥寺美術館にて開催された「小畠廣志 木に呼ばれる」で購入したポストカードです。

木彫と共にブロンズ作品を多く手掛けた小畠廣志。
公共彫刻も多数残しており、こちらは東京近鉄百貨店(2001年閉店。現在は跡地にヨドバシカメラ吉祥寺店が建っている)のシンボル彫刻として制作されたユニコーン像の習作です。吉祥寺に長年住んでいる方には、思い入れのある作品ではないでしょうか。

今にも動き出しそうな躍動感のあるユニコーン。私が好きなのはしっぽの表現です。

フランソワ・ポンポン《バン》


フランソワ・ポンポン《バン》, 1930年, 前田育徳会

2021年に目黒区美術館にて開催された「前田利為 春雨に真珠をみた人」で購入したポストカードです。

会期終了直前だったため、有名な《シロクマ》のポストカードが売り切れていて買えなかったのがいまだに悔しい。いつか群馬県立館林美術館に行ってゲットしたいと思います。

余談ですが、確実に欲しいポストカードがある場合は、会期中ごろに行くことをおすすめします。開催直前は開催者側が予想していなかった売れ行きのものが一時的に品切れになるリスク(先般話題になった三菱一号館美術館「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜」におけるレッサー・ユリィのポストカードのように)、会期終了直前では人気のポストカードが完売になるリスクがありますから。

フランソワ・ポンポンはフランス・ブルゴーニュ出身の彫刻家。ロダンをはじめとしたさまざまな工房で助手を務め、60歳を過ぎてからようやく独立したという面白い経歴の人です。モダンな造形の動物で人気を博しました。

この作品はクイナの一種のバンという鳥をかたどったもので、シンプルながら忘れがたいキュートさをもっています。ちなみに日本名「バン」は、水田を害敵から守る「田の番」をすることが由来とのこと。英名Common moorhen。

次回は長谷川潔と萩原英雄作品のポストカード紹介をしようと思います。

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