【ポストカード】コレクション36 ポスターいろいろ

ポストカード

ポスターイラストのポストカード(なんかややこしい)をご紹介します。
ヤン・レニツァ、グンター・ランボー、アレクサンドル・ロトチェンコの作品です。

ヤン・レニツァ《アルバン・ベルク「ヴォツェック」のポスター》


Lenica, Jan《Alban Berg ”Wozzeck”》, 1964年

「ヴォツェック」はオーストリアの作曲家アルバン・ベルクによる唯一のオペラ作品。
こちらのポスターは、ポーランド・ワルシャワのオペラ座(テアトル・ヴィエルキ)にて「ヴォツェック」を公演した際のものです。

貧しい一兵卒のヴォツェックという男が、他の男と通じた愛人を殺すという鬱屈した話で、1821年に実際に起きた事件がストーリーの元になっています。

一度見たら忘れられないインパクトのあるポスターです。口だけがリアルで、あとは赤い膜が巻き付いているようなこの男は、狂気に囚われたヴォツェックの内面を表しているのでしょうか。

ポスターを手掛けたのはポーランド・ポズナン出身のヤン・レニツァ。レニツァは1961年にパリに移住し、映画や演劇のポスター、装幀、諷刺画など幅広い分野で国際的に活躍しました。

グンター・ランボー《P.E.N. im Exil》


Rambow, Gunter《P.E.N. im Exil》, 1983年, アムステルダム市立美術館

グンター・ランボーはドイツのグラフィックデザイナー、写真家、ポスターデザイナー。
Gunter Rambowで検索すると出てくる公式サイトでは、過去作品がたっぷり見られてとても楽しいので、ぜひのぞいてみることをおすすめします。

この《P.E.N. im Exil》(亡命のP.E.N.)は、ヒトラー政権下のドイツで、文学者たちが国外への亡命を余儀なくされた一連の流れをテーマにした、劇かなにかの告知ポスターだと思うのですが、詳しいところが分かりませんでした。お分かりになる方がいらっしゃればご指摘をお願いします。

タイプライターで打たれた無造作なテキストの上に、折られた鉛筆がハーケンクロイツの形をつくっている、尖ったデザインです。
紙の汚れ感や鉛筆の影の落ち方がキリキリとひりつく感じでインパクトがあります。

アレクサンドル・ロトチェンコ《当社の株主リストにあなたの名前がまだないのは恥ずかしいことです。》


Rodchenko, Aleksander Mikhailovic《当社の株主リストにあなたの名前がまだないのは恥ずかしいことです。》, 1924年, プーシキン美術館

ロシア構成主義の芸術家、アレクサンドル・ロトチェンコが制作したポスターです。
ドヴロリョート(ロシア航空産業開発会社)の広告なんですが、このタイトルって株買えよって煽ってるんですかね?それとも、あなたがまだ株主になってくれていないのは私どもの努力が足りていないということだと思うのでこれから精進します、とかの意味ですかね?

プロペラ機からまかれたビラが地球を覆っていく感じが面白いポスターです。

アレクサンドル・ロトチェンコ《レンギス あらゆる知についての書籍》


Rodchenko, Aleksander Mikhailovic《レンギス あらゆる知についての書籍》, 1924年, プーシキン美術館

引き続きアレクサンドル・ロトチェンコ作品で、こちらはとても有名なものです。

レンギスとは国立出版社レニングラード支部を指します。左に大写しになった若い女性が叫んでいるのは「本!」。みんな本を読みましょう、という趣旨なのです。
文字、グラフィック、写真のメリハリの効いた組み合わせがたまりません。100年ほど前の作品ですが、まったく古さを感じませんね。

次回は杉浦非水と日本のレトロ広告にちなんだポストカードの紹介をしようと思います。

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