【ポストカード】コレクション⑭ バルビゾン派

ポストカード

バルビゾン派に属する画家のポストカードコレクションです。

ジャン=フランソワ・ミレー「羊飼いの少女」


Millet, Jean-François「羊飼いの少女」, 1863年頃, 油彩, オルセー美術館

2016年に東京国立博物館にて開催された「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」にて購入したポストカードです。

いかにもミレーらしい、おだやかな田舎の風景です。羊飼いの少女が、仕事の傍ら編み物に熱中しています。右側では牧羊犬がちゃんと仕事をしているようです。

時刻は夕方にさしかかるころでしょうか、やさしい夕陽でオレンジ色に染まる風景が見る者の心をあたたかくしてくれます。全体的にオレンジ色のなか、少女の赤いヘッドピースと青のスカートが色彩のアクセントになっています。

ジャン=フランソワ・ミレー「ポーリーヌ・V・オノの肖像」


Millet, Jean-François「ポーリーヌ・V・オノの肖像」, 1841-1842年, 油彩, 山梨県立美術館

山梨県立美術館にて購入したポストカードです。山梨県立美術館は「ミレーの美術館」として有名ですね。

ミレーがバルビゾンに移住する前の作品なので、正確にはバルビゾン派のページに入れるのはおかしいですが、好きな作品なので入れちゃいました。

レオナルド・ダ・ヴィンチ「白貂を抱く貴婦人」のようなポーズをとるこの若い女性は、ミレーの最初の妻となったポーリーヌです。この絵が描かれた当時は20歳になっていなかったと思われます。このわずか2-3年後にポーリーヌは病気でこの世を去りました。

「うるみ」がこの絵の魅力であり謎だと思います。うるんだ瞳、泣いているかのような赤い鼻、しっとりとした質感のドレス。
果たして彼女は何かつらいことがあって涙ぐんでいるのでしょうか?それともひとしきり泣いたあとで、困難に立ち向かおうと決意しているのでしょうか?いろいろと想像が膨らむ絵です。

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー「森の中の若い女」


Corot, Jean-Baptiste Camille「森の中の若い女」, 1865年, 油彩, アーティゾン美術館

アーティゾン美術館が所蔵する絵です。

コロー独特の黒色が若い女性を引き立たせています。はにかんだような表情がかわいいですね。全体的に暗い色調のなか、彼女の髪飾りやスカートの朱色がよく映えています。

よく考えると、森のなかでこのポーズってちょっと不自然。アトリエでモデルにポーズをとらせて、背景を森のなかにしたのでしょう。

シャルル=フランソワ・ドービニー「ボッタン号」


Daubigny, Charles-François「ボッタン号」, 1869年, 油彩, 個人蔵

2019年にSOMPO美術館にて開催された「シャルル=フランソワ・ドービニー」にて購入したポストカードです。

ドービニーは刻々と変化する水辺の情景を描くことを得意としました。ここで描かれているのは、彼が所有するアトリエ船「ボッタン号」。彼はボッタン号にのって、セーヌ川やオワーズ川沿いを旅しました。

素早いタッチながら、水面の表現がみごとです。一瞬を切り取ったというより、水面のゆらぎや雲の移り変わりを感じさせる、ショートムービーのような印象の絵です。

コンスタン・トロワイヨン「近づく嵐」


Troyon, Constant「近づく嵐」, 1859年, 油彩, 山梨県立美術館

2021年にパナソニック汐留美術館にて開催された「クールベと海展― フランス近代 自然へのまなざし」にて購入したポストカードです。

牛が個人的に好きなので、牛が描かれていると自動的にポストカードを購入してしまいます。

トロワイヨンはバルビゾン派の影響を受け、多くの風景画を描きましたが、なかなか認められず、動物画家として高い評価を得ました。
嵐+牛の組み合わせがお気に入りだったようで、いくつか作品を残しています。

牛の表情がいいですね。牛の顔に落ちる影が、近づく嵐を感じさせます。風雨に襲われる前に家畜小屋に入れるといいのですが。

次回は印象派のポストカードをご紹介する予定ですが、しばらくは展覧会チラシの記事をアップしていこうと思います。

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