【読書メモ】パメラ・デ バレス 『伝説のグルーピー』⑧関連情報『あの頃ペニー・レインと』/ゲイル・ザッパ

読書メモ

パメラ・デ バレス『伝説のグルーピー』と映画『あの頃ペニー・レインと』との関係や、フランク・ザッパの妻ゲイル・ザッパについてご紹介します。

映画『あの頃ペニー・レインと』との関係

キャメロン・クロウは2000年の映画『あの頃ペニー・レインと』(Almost Famous)でグルーピーのペニー・レインのキャラクターを考えるにあたり、パメラの書籍を参考にしたといわれており、ペニー・レインを演じた女優のケイト・ハドソンも演じる際にインスピレーションを得るために読んでいたといいます。

あらすじ紹介のページでいくつか言及しましたが、読んでいるとたしかに具体的なエピソードで「これが元ネタだな」と感じるところがあるんですね。あと、うまくいえませんが当時の空気感というか、雰囲気づくりは絶対本書を参考にしているでしょう。

もし本書に挑戦したい方がいれば、まずは『あの頃ペニー・レインと』で当時の雰囲気を何となく感じてもらって、そのあと読んだ方がすっと内容が入ってくると思いますよ!

教養深い慎ましい女性?トラブルメーカー? ゲイル・ザッパの魅力

本書で印象的なのは、フランク・ザッパの妻、ゲイル・ザッパの描写です。
パメラは常にゲイルに感謝し、敬意を払っているように見えます。

ここでは、「ロック・スターの女たち」(ヴィクトリア・バルフォア著、吉田真弓訳、音楽之友社)と英語版ウィキペディアを参考に、ゲイル・ザッパについてざっくりとご紹介します。

ゲイル・ザッパは1945年1月1日フィラデルフィア生まれ。父親はアメリカ海軍に勤めた経験のある原子力物理学者でした。
ハリウッドで育ち、14歳からは父の仕事の都合でロンドンに滞在。厳格なカトリックの女子高に通い、父は大学進学を進めましたがゲイルは音楽に夢中になってしまいます。
1965年にロンドン時代のルームメイトのアンヤ・バトラーとともにニューヨークに移住、その後ロサンゼルスに移り、そこでグルーピー生活をはじめます。

ちなみにアンヤはのちにクリス・ヒルマンと結婚。人間関係が狭いところでぐるぐるまわっていますね。

ロサンゼルスではキム・フォウリーのプロデュースでレコーディングし、ヴィトー・パウレカスとも交流があったとか。パメラの人間関係と重なっています。

ザ・バーズのメンバー、ブライアン・ウィルソンなどさまざまなミュージシャンと関係をもち、ウイスキー・ア・ゴーゴーとトリップで秘書として働いていた1966年にフランク・ザッパと知り合い、間もなく妊娠。1967年に結婚して4人の子供に恵まれます。

ちなみに当時のフランク・ザッパは「ありとあらゆる性病をもっていた」らしく不潔で風呂にも入らない男だったそうです。

ゲイルは当時のグルーピーについてこのようにいっています。「イギリスのお城に住みたいと思ってグルーピーをやってる女の子も多かったわ。グルーピーにとっての典型的な夢ね。イギリスのポップ・スターをつかまえて、お城のような家で優雅に暮らすのよ、ってね。」この発言は、イギリスの侯爵を射止めたパメラを意識していたのかもしれませんね。

結婚後はグルーピーが嫌いになったようですが、夫がグルーピーと関係ができても泣きわめいたり、二人(の関係に)バリケードをつくったりということはせず、「自分自身に誠実になること」を考えたといいます。冷静な女性ですね。

専業主婦を貫き(もっとも、ザッパのスケジュール管理などは彼女がしていたようですが)、表舞台には立ちたくないという古風な女性だったようです。書籍「ロック・スターの女たち」のなかで、彼女だけが顔出しをしていないことからも、それはみてとれます。

もっとも、子どもたちとの関係はのちにこじれたようで、1993年にフランク・ザッパが亡くなった際は遺産相続でもめたとか。また、フランク・ザッパの著作権管理で頻繁にもめごとを起こし、iTunes Storeの創設をめぐっては、スティーブ・ジョブズに「ファック・ユー」と書かれたメモを送ったとかなんとか。人にはいろいろな面があり、ひとことにはいえないということでしょうか。

ゲイル・ザッパは2015年に肺がんでなくなりました。享年70歳でした。

パメラ・デ バレス『伝説のグルーピー』についての紹介はこれで終わりにします。
次回の読書メモは、「御堂関白記 藤原道長の日記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫) 編:繁田信一」 にしようかなと。平安時代について詳しいわけではないのですが、ビギナーの視点で紹介できればと思います。

しばらくは切手とポストカードのご紹介を続けます。
とりあえず次回はクリスマスにまつわる切手を紹介します。

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