私のポストカード蒐集:収納への長い道

ポストカード

美しく収納しないと集めた意味がない

展覧会などで入手したポストカードを自宅に持ち帰ったらどうするか。
「蒐集動機とマイルール」のページで述べた通り、私の目的は私なりの「驚異の部屋」をつくることですから、部屋の壁に並べているのと同じくらい、閲覧しやすくしたいと考え、試行錯誤しました。

このページでは、さまざまな収納ケースのメリットデメリットをご紹介したいと思います。

クリアポケットに入れるタイプ(無印良品、キングジム)

私の場合、まずはオーソドックスに「クリアポケットに入れるタイプ」の収納ケースからスタートしました。

1枚ずつ入れるタイプ(無印良品)

100枚満たないくらいまでは、無印良品さんの1枚ずつ入れるタイプを使っていました。しかしカードが増えるにつれ、収納ケースが次々と必要になり購入が手間なことと、一覧性の乏しさから限界を感じるようになってきました。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【無印良品 公式】アルバム・3段 L判・300枚用
価格:990円(税込、送料別) (2021/10/21時点)

まいまいつぶろコメント:こちらは見開き6枚入れられるタイプのものなので閲覧性はまあまあ。小規模なコレクションで、並べ替えにこだわらなければこのタイプで十分

見開きで8枚入れられ、差し替えられるタイプ(キングジム)

一覧性を高めたいという欲望を抑えきれず、次に私が手を出したのが見開きで8枚入れられるタイプです。
キングジムさんの「キングジム ハガキホルダ-差し替え式 A4S 66C」を購入しました。クリアポケット部分が差し替え式(ルーズリーフみたいな感覚)になっていて、自由に追加することができます。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

キングジム 葉書ホルダー差し替え式 66Cアオ
価格:2055円(税込、送料別) (2021/10/21時点)

まいまいつぶろコメント:差し替えがきくのが特徴。並べ替えを厳密にせず、くたっと感が気にならないならこれもアリ

しかしこちらも、使用するにつれ不満が出てきました。言葉で説明がしにくいんですが、めくったときに「くたっ」となってしまう。あと、ポストカードって微妙にサイズがぶれていて、小さめのものがあるんですが、その場合めくったときにまろびでちゃったりする。逆に、ちょい大きめなものはクリアポケットに入らない(これは1枚ずつ入れるタイプにもいえることですが)。

そしてこのころには私のコレクションは300枚を超えるようになっており、別の問題も出てきました。画家別・ジャンル別に並べたいという欲望です。

しかしこの収納ケースでは・・・たとえば展覧会Aでコローの中期~後期作品のポストカードを購入し、制作年順に入れていったとしますね。その後、B展覧会でコローの初期作品のポストカードを購入したら、入れ替え直さないといけない。あとで贋作だと判明したら(レアケースですが、ないわけじゃない)抜いて並べ直さないといけない。差し替え式なので、追加できるっちゃできるんですが、コローが8枚クリアポケットにぴったり収まる数になっているとは限らない。コローのあとに続けてクールベが入っていれば、やっぱり調整が必要になってきちゃうんですよ。

あとから差し込みが次々と入るポストカード蒐集には、クリアポケットタイプの収納ケースは向かない。そういう結論になりました。ポストカードには向かないけど、年賀状など、追加削除の可能性がないものは、クリアポケットに入れる収納が有効だと思います。


クリアポケット見開きで8枚入れられるタイプ

メリット:持ち運びしやすい
デメリット:1枚ずつ入れるタイプの場合しょっちゅうケースを購入しなければならない。カードがこぼれやすい。並べ替えがきかない。

平置きするタイプ(無印良品)

並べ替えしやすさを念頭に置き、次に私が購入したのが無印良品さんの平置きするタイプのアクリル製収納ケースです。見た目が美しく、一枚ずつクリアポケットに入れるという手間も省けました

まいまいつぶろコメント:デザインはシンプルで◎。そんなにコレクションを見返さない人ならこれもアリ

しかし、今度は取り出しづらく、一覧性も下がってしまいました
天面(一番上)になるカードの劣化も気になりました。紫外線が当たるようなところには置かないですけど、さらしておくと多少は劣化するんですよね。
そしてネックなのが値段で、地味に高い。細々と続けていくには厳しいと思いました。

このころには私のコレクションは500枚に達し、さらなる欲望も生まれてきました。「画家別・ジャンル別の仕切り板を設けたい」と。ケースに入るよう仕切り板を厚紙で自作してみましたが、どうもいまいちでした。

メリット:見た目がスマート。収納が楽。
デメリット:一覧性が低い。取り出しづらい。天面になるカードの劣化が心配。高い。

オン・サンデーズの並べ方を参考に

この段階で私は一旦、収納ケースジプシーを止め、外に目を向けてみることにしました。

東京・青山のワタリウム美術館には「オン・サンデーズ」という売店があります。1階の奥の方にポストカードが並んでいて、おそらく5万枚ほどはあるでしょう。並べ方は、レコード店のような感じ。ブツが立ててあって、仕切り板でおおよそのジャンル・画家に分けられています。海外の文房具店のポストカード売り場もこのような感じが多いです。

余談:イギリスのカード専門店
イギリスにおけるカード専門店の展示の美しさには目を見張るものがあります。
SNS時代においてもグリーティングカードを贈る風習がいまだ根強い同国では、売り場も一工夫がありますね。
ポストカード蒐集家も学ぶべきものは多いと思います。ご旅行ご出張の際は、是非カード専門店を覘いてみてください。

カードが立ててあると、断然探しやすい。レコードを掘る感覚でサクサクと探せます。
よし、ウチの収納もこの形式でいこう。方向性が定まりました。

真打登場「ナカバヤシ 写真分庫 ポストカードタイプ PHH-101CM」

いろいろ試した結果、最終的に私が愛用しているのは「ナカバヤシ 写真分庫 ポストカードタイプ PHH-101CM」(以下、「写真文庫」と記す)です。仕切り板が1つにつき8枚付いていて、約800枚と大量収納できることが特徴の収納ケースです。


「写真文庫」に入った私のコレクション

2021年9月現在、私のポストカードは2150枚強ありますが、5箱にゆったりと収まっています。これで一覧性と収納性を両立することができました!

デザインははっきりいっていけてない

「写真文庫」のデザインはいまいちです。角が中途半端に丸いのがかっこ悪いし(安全性を考えてのことなのでしょうが)、仕切り板の色もモロ原色で萎えます。そもそも仕切り板の色分けなんていらないんですよね。どうせラベルを貼って区別するんですから。1色、渋いグレーとかベージュでいいのになあ。いずれ時間に余裕ができたら、厚手のクラフト紙で仕切り板を自作しようと思います。

使い勝手も文句がないわけじゃない

等間隔で仕切り板を差し込む押さえの突起がありますが、ポストカードの枚数によっては突起が邪魔になって入れにくい
あと、奥の方に入れたものが取り出しづらいです。奥のものをとる場合は、内箱を全部出して対応しています。

現状ではこれがベスト

不満ばかり書いてしまいましたが、それでもやっぱり他のものに比べると、「写真文庫」が一番使いやすいんですよ。引き出しが丈夫で、安定感がありますし、(奥の方はともかくとして)取り出しやすい。多少大きめのポストカードも入る絶妙なサイズ。
さすがは事務機器の雄・ナカバヤシさんの製品です。

メリット:一覧性と収納性を両立
デメリット:デザインがいまいち

まいまいつぶろコメント:やっぱりこれ!値段も大容量のわりには手ごろ

最後に

いろいろと書きましたが、あくまで私の例であって、これから蒐集を進められる方は、自分の考えにあった収納ケースをいくつか試してみるといいと思います。
そして、いいものを見つけたら、まとめて購入すること。文房具は急に廃盤になったりしますので、思い切った量を購入しておきましょう。

余談:ポストカードのためにも手洗いを
当たり前のことですが、管理の際は手洗いをちゃんとしましょう。上の写真で、やたら汚い収納ケースがあるのは、日焼け止めがついた手で扱って放置してしまい、表面が溶けてしまったようでいくら拭いてもとれないという事情なのです・・・。
また、私はひどい脂性で手も脂ぎっているので、手洗いを怠ってポストカードに触れると、その時は目立たなくても後年シミができてしまうことがあります。
余談:クリアスリーブ問題
ミュージアムショップによっては、ポストカードが1枚ずつクリアスリーブに入っていることがありますが、必ず捨てます。理由は場所をとってしまうからです。100~200枚レベルでしたらそのままでもよいかもしれませんが、1000枚越えになってくるとクリアスリーブの厚みは馬鹿になりません。クリアスリーブを外してポストカードを直接重ねていくことで、傷みやすくならないか?紙がくっつかないか?という疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、私の経験上、よほど変わった印刷方法でない限りは大丈夫です。これは私見ですが、むしろクリアスリーブに入れている方が危ないかと。クリアスリーブはプラスチックでできていますから、何十年も保管していると、状況によってプラが劣化し、ポストカードに貼り付いてとれなくなってしまう可能性があります。

どうしてもクリアスリーブが欲しくなったら、あとから買うこともできますしね。

次のページでは、ポストカードのデータ管理についてご紹介します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました