【切手】コレクション⑪ ピカソ、シャガール

切手

私の切手コレクションのなかから、お気に入りのものを紹介します。
ピカソ、シャガールの切手です。おそらくスペイン、フランスで購入したものです。

パブロ・ピカソ生誕100周年記念切手「ゲルニカ」(1981年)

ご存じピカソの代表作「ゲルニカ」を主題にした生誕100周年記念切手です。

スペイン内戦中の1937年4月26日、ドイツ空軍のコンドル軍団によりスペイン北部の町ゲルニカが都市無差別爆撃された「ゲルニカ爆撃」を主題にした絵です。

横に長い作品のサイズに合わせて、横型のシートになっています。104mm*165mmとだいぶ大きく、精緻な印刷で「ゲルニカ」を堪能できる切手です。

一方、Centenario de Picasso / El “Guernica” en Españaのフォントは絵の雰囲気に合っていなくていまいちな印象。Centenario de Picassoが下線になっているのももったりしてます。

ナンバリングは2577480となっていますので、百万単位で発行されたのでしょう。

テキスト:F.N.M.T.(スペイン造幣印刷局)

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シャガールの切手(1993年)

この切手シリーズについて詳しいことはわかりませんでした。
ただ、このシリーズで取り上げられている作品はすべてニースのシャガール美術館の収蔵品で、美術館は1973年に開館していますので、開館20周年記念として発行されたものではないかと推測しています。

すべて旧約聖書を題材にした絵ですので、簡単に内容をご紹介します。

《アダムとイヴの追放》


創世記3章のお話です。蛇に唆されたイヴが知恵の実を食べ、アダムにもすすめて二人とも食べてしまったために神の怒りを受けてエデンの園を追放されたという有名なお話です。

中央の天使は、アダムとイヴをおいたてているようです。楽園追放というと、マサッチオの有名なフレスコ画のようにガン泣きしてたり、辛そうなポーズをしている絵を想像しますが、この絵の二人はわりとのんびりしているような。

《ノアと虹》


このお話の前段の「ノアの方舟」は、世界がだんだん堕落してきたんで、大洪水を起こして再スタートを切る話でした。ノアの家族と、地上のあらゆる生き物をつがいで1組ずつ方舟に乗せるという例のアレです。

この虹は創世記9章に書かれています。大洪水のあと、神はノアと彼の息子たちに「二度と洪水を起こして生き物を滅ぼすようなことはしない」と約束し、その証として虹が現れたのでした。

左下でまったりしてるのがノアらしい。それ以外の人たちは右往左往しているようにみえますが、これが意味するものは何でしょう。聖書では、この時点ではノアの家族以外に人間はいないはずですが、どうも様子がおかしいですね。
異時同図法的に、ずっと後世の迫害されるユダヤ人の群衆が描かれているとのことです。

虹が白1色で描かれているのも面白いなと思います。

《アブラハムと三人の天使》


創世記19章のお話です。アブラハムが暑い日に天幕の入り口に座っていると三人の見知らぬ人物が登場。アブラハムは三人を木陰につれていき、足を洗ってあげ、奥さんのサラと召使には急遽料理をつくらせてもてなしました。こういう急な客人って迷惑ですが、ずいぶん手厚い。
実は三人は天使で、「来年サラには子どもが生まれるよ」とか「ソドムとゴモラの街は罪深いから滅ぼしちゃおうかと思う」とか告げます。

絵の左にいるのがサラもしくは召使、その隣でなんとなくぼーっとしてるのがアブラハムかな。このときサラが90歳、アブラハムが100歳ですがそうは見えない。
長椅子に腰掛けた三人の天使もなんかのんびりしています。

《燃ゆる茨の前のモーゼ》


出エジプト記3章のお話です。モーセが羊の群れを追って神の山ホレブ(シナイ山)にいくと、柴が燃えていました。その炎の中に主の御使いが現れ、ふしぎなことにそれは燃え尽きることがありません。そのあとモーセは神にいろいろ話しかけられました(雑)。

タイトルは《燃ゆる茨の前のモーゼ》ですが、絵をみると、どうもモーセの他のエピソードも混じっているように見えます。異時同図法ってことでしょうか。

《雅歌Ⅲ》《雅歌Ⅳ》


雅歌(がか)はおとめと若者の恋の歌で、お互いの美しさをやたらと香油だの花だの牡鹿だのいろいろなものにたとえてたたえ合うもので、話の筋らしいものはありません。

この絵でもうっとりするような男女の愛が描かれているようです。
《雅歌Ⅳ》は結婚式でしょうか?鳥さんたちが祝福していますね。

テキスト:ADAGP(フランス美術著作権協会)(上記すべて)

以上、簡単にですが紹介してみました。
聖書を読むのはコスパがいいなとつくづく実感します。
本当にさらっとでいいので頭に入れておくと、絵画作品の理解を助けます。

次回は、スペインのタペストリー、手工芸品の切手をご紹介します。

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