【切手】コレクション⑨ 東欧の絵画作品3

切手

私の切手コレクションのなかから、お気に入りのものを紹介します。
前回に引き続き、絵画作品を題材にした切手です。おそらくポーランドで購入したものです。
ポーランドの美術館に所蔵されている作品ですが、作者の出身地はバラバラです。

Abraham Hondius(エイブラハム・ホンディウス)「犬と鷺の戦い」(1994年)


エイブラハム・ホンディウスは17世紀オランダ・ロッテルダム生まれの画家で、オランダ、イギリスで活躍しました。動物画の人気が高く、狩猟や動物同士の戦いを描いた絵が残されています。

この「犬と鷺の戦い」はワルシャワ国立美術館の収蔵品。迫力のある闘いですが、3次元で動ける鷺に分がありそうですね。

この切手と、以下紹介する絵画の切手は同シリーズで、1994年に発行されたものです。

Jean‐Baptiste Greuze(ジャン=バティスト・グルーズ)「ギタリスト」(1994年)


主に庶民の生活を題材にした風俗画などで人気を博したフランスの画家、ジャン=バティスト・グルーズの作品です。
グルーズは、【ポストカード】コレクション⑪ 18世紀後半 西洋でも「壊れた甕」を紹介しています。

すごいポーズです。これはギターを弾いているのではなく、ギターを調律しているのですよね?

机に鳥の剥製やガラス製品などいろいろなものが置かれており、何やら意味を持たせているような気がします。

ワルシャワ国立美術館の収蔵品です。

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Marinus van Reymerswaele(マリヌス・ファン・レイメルスワーレ)「収税人たち」(1994年)


マリヌス・ファン・レイメルスワーレについて詳しいことはよくわかっていませんが、16世紀前半にオランダで活動した画家で、クエンティン・マサイスの影響を受けているとのこと。両替商、収税人、聖ヒエロニムスなどを題材にした絵を多く描いたそうです。
クエンティン・マサイスの絵「両替商とその妻」は【ポストカード】コレクション⑥ 16世紀前半 西洋にて紹介していますので、比較してみてください。

右の男の顔がいいですね。一度みたら忘れられない・・・。

ワルシャワ国立美術館の収蔵品です。

Fyodor Rokotov(フョードル・ロコトフ)「ダリア・ドミトリーヴァ・マノヴァの肖像」(1994年)


フョードル・ロコトフは18世紀ロシアの肖像画家です。

こちらの貴婦人について詳しいことはわかりませんでしたが、貴族の女性だと思われます。
ふわっとした柔らかい肌と猫っ毛、サテンのドレスの質感が美しい作品です。

こちらもワルシャワ国立美術館の収蔵品です。

Leonardo da Vinci(レオナルド・ダ・ヴィンチ)「白貂を抱く貴婦人」(1994年)


ポーランド北部の古都クラコフにあるチャルトリスキ美術館の所蔵品です。当施設の看板の所蔵品で、私が一番好きなダ・ヴィンチ作品でもあります。

読み方は「しろてんをだくきふじん」です。私はずっと「はくてん」と読んでしまっていました。もっとも、正確には白貂ではなく白いフェレットですが。

モデルになった若い女性は、当時ミラノを統治していたスフォルツァ家の当主ルドヴィーコ・スフォルツァの愛妾チェチーリア・ガッレラーニです。

瞳の美しさや、左の方に注意を向けているような姿勢が印象的ですが、手指の筆致の細やかさにも注目してみてください。

Antoine Watteau(アントワーヌ・ヴァトー)?「ポーランドの女性」(1994年)


ロココを代表する画家、アントワーヌ・ヴァトーの作品ではないかといわれています。帰属と描かれた年代がはっきりしないとのことです。「ポーランドの女性」というタイトルも後年つけられたものです。

たっぷりとした赤いロングガウンの生地の質感に目を惹かれる作品です。

数奇な運命をたどった絵画です。ロシアに買い上げられ、エルミタージュ美術館などに収蔵されていたそうですが、1920年のポーランド・ソビエト戦争を経て、1923年のリガ平和条約の締結に基づきポーランドに譲渡されました。第二次世界大戦中はナチスのゲーリングのコレクションとなり、終戦後にポーランドの所有物に戻され、現在はワルシャワ国立美術館の収蔵品となっています。

Jan Davidsz de Heem(ヤン・ダヴィス・デ・ヘーム)「ロブスターのある静物」(1994年)


17世紀のオランダで活躍した静物画家、ヤン・ダヴィス・デ・ヘームの作品です。

ロブスター、レモン、牡蠣などが描かれた静物画です。質感の異なるものたちを巧みに描き分けています。
ロブスターが白い布を挟んでいるみたいなのがちょっと可笑しい。

所蔵施設がどこなのかはわかりませんでした。

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Rembrandt van Rijn(レンブラント・ファン・レイン)「善きサマリア人のいる風景」(1994年)


「白貂を抱く貴婦人」と同じく、チャルトリスキ美術館の所蔵品です。

一見風景画のようですが、よーく見ると右の方に人物がいるのがわかります。テーマは、ルカによる福音書の「善きサマリア人のたとえ」。道で強盗に襲われ、道を通る祭司やレビ人は助けてくれなかったけど、当時差別されていたサマリア人は手厚い介抱をしてくれたというやつです。詳しくはググってください。

題材はともかく、私は空の表情に心を惹かれました。

次回もひきつづき、絵画作品を題材にした切手をご紹介します。

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