ピーテル・ブリューゲルの版画作品のポストカードを集めました。
ピーテル・ブリューゲル《マグダラのマリアのいる風景》
ピーテル・ブリューゲル《マグダラのマリアのいる風景》, 1555-1556年, 町田市立国際版画美術館
町田市立国際版画美術館の所蔵品です。ミュージアムショップで販売されているポストカードブック「西洋古版画の世界-刻線と色彩-」のなかの一枚です。国立西洋美術館にも同版画があります。
右下のあばら家(というか木をたてかけただけのスペース)で書を読んでいるのがマグダラのマリアのようです。
悔悛するようすを描いたものらしいのですが、細かいシチュエーションはよくわかりませんでした。右上に何か聖なるものが出現しています。
宗教画として味わうというよりは、起伏ある抜けた風景のすばらしさ、構図を楽しみたい作品です。
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ピーテル・ブリューゲル《忍耐》
ピーテル・ブリューゲル《忍耐》, 1557年, ベルギー王立図書館
2010年にBunkamuraザ・ミュージアムにて開催された「ベルギー王立図書館所蔵 ブリューゲル版画の世界」で購入したポストカードです。この展覧会については、【展覧会チラシ】2010年下半期 私的ベスト10でも紹介しています。
下に「PATIENTIA」とあるので《忍耐》が主題だということがわかりますが、描かれているのはボッシュばりのトンチキな怪物たちがうごめく、妖しく楽しい世界です。
鎖でつながれ、手前の石に腰掛けている女性が《忍耐》の擬人らしく、彼女は祈りを捧げています。しかし彼女以外はフマジメな連中ばかりです。当時のカトリックの腐敗を皮肉っているのか、たとえば右側の木の上部では修道士が売春婦にいいよっています。
難しいことは考えずに一匹一匹のキャラクターを楽しみたいと思います。
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ピーテル・ブリューゲル《最後の審判》
ピーテル・ブリューゲル《最後の審判》, 1558年, 個人蔵
2018年に東京都美術館にて開催された「ブリューゲル 画家一族 150年の系譜」で購入したポストカードです。
ド迫力の最後の審判シーン。向かって左が天国コース、右が地獄コースのようです。
地獄コースの入り口の口にしゃがんでいる鳥男(?)がかわいいです。
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ピーテル・ブリューゲル《魔術師ヘルモゲネスの転落》
ピーテル・ブリューゲル《魔術師ヘルモゲネスの転落》, 1565年, ベルギー王立図書館
こちらも「ベルギー王立図書館所蔵 ブリューゲル版画の世界」で購入したポストカードです。
ごちゃごちゃした感じが楽しい!よく見ると、タイトル通り転落した(ひっくり返った)男がおり、これが魔術師ヘルモゲネスのようです。
右側にいる聖人(光輪があるので聖人とわかります)は、イエスの弟子の大ヤコブです。ヘルモゲネスは魔術によって怪物たちを呼び出しましたが、大ヤコブは怪物たちを逆に操りヘルモゲネスを捕らえさせています。
このシーンの背景としてはこのようなストーリーがあります。
魔術師ヘルモゲネスは、弟子の一人が大ヤコブの説教を受け改宗したことに激怒しました。短気な彼は弟子を縛ってしまいます。そこに大ヤコブが訪れて弟子を解放するよう説得しますが、当然ヘルモゲネスは聞く耳持たず。そこで大ヤコブは伝家の宝刀を……というわけです。このあと、彼は降参して改宗したそうです。
そうした背景を知らなくても、単純に楽しい版画です。尻に器をつけてブリッジしている蛙(?)、空気を読まず綱渡りを始める鳥男(?)などキャラクターが濃い。ミュージアムショップでは、この版画をモチーフにしたピンバッジも売られていたように記憶しています。
ピーテル・ブリューゲルは同主題でいくつかの版画を制作しています。
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次回はメッケナムとデューラーの版画作品のポストカードをご紹介します。
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