次は古代エジプトから。
コレクション①が「古代」で、その次が「古代エジプト」ってレベル感どうなってんだよって感じですが、気にしないでどんどん紹介します。
カバ像
カバ像, 前2000年頃, ファイアンス焼き, 中近東文化センター附属博物館
カバの形をした、鮮やかな瑠璃色の像です。今から約4000年も前のものとは信じられないような発色です。
鳥や植物?の文様が体に刻まれているのも興味深いです。
このカバの名前はルリカちゃん。中近東文化センター附属博物館さんが名前を公募して決まったそうです。
中近東文化センター附属博物館はアクセスがちょっと悪いのが難点(最寄り駅が存在せず、JR中央線武蔵境駅、三鷹駅、吉祥寺駅等からバスを使用)ですが、おすすめの博物館です。
ミュージアムショップでは、ルリカちゃんのネックレス等の小物やぬりえ絵本なども取り扱いがあります。
ハヤブサの小像 トキの小像 ジャッカルの小像
ハヤブサの小像 トキの小像 ジャッカルの小像, プトレマイオス朝時代後期(前2~前1世紀), 木彫, トリノ・エジプト博物館
2009年に東京都美術館で開催された「トリノ・エジプト展-イタリアが愛した美の遺産-」で購入。実際の比率を無視した大きさで3頭並んでいます。
彩色の状態が良好で、特に左端のハヤブサは羽毛の表現にこだわりを感じます。
動物たちは神として信仰されていたとのことですが、現代の私からみると、可愛らしい印象が先にきます。
トリノ・エジプト博物館のサイトでは、所蔵品の説明のほか、館内のヴァーチャルツアーも楽しめます。
見られる部屋は限られていますが、動画も埋め込まれていて凝ったつくりです。
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聖猫
聖猫, 前950-660年, ブロンズ, アーティゾン美術館
エジプト神話ではおなじみの猫の女神「バステト」のポストカードです。
スラっとしていて小顔で、気高い印象です。しっぽを行儀よくまとめています。首から腰のラインの美しさがたまらない。
同じ像を「四分の三正面像」的に撮影したポストカードもありますが、こちらの横向きのものが、ラインの美しさを堪能できてよいと思います。
所蔵するアーティゾン美術館のオンラインショップでは、この猫をモチーフにしたアクセサリーやレプリカなども販売しています。
バステトは人間を病気や悪霊から守護し、豊穣を司る神なので、お守りとして持っていてもよいかもしれませんね。
カルナク神殿のアメン神官ホルの方形彫像/ベス神の像嵌
左:カルナク神殿のアメン神官ホルの方形彫像, 前875~前837年頃または前790~前762年頃, 国立ベルリン・エジプト博物館
右:ベス神の像嵌, 前664~前332年頃, 国立ベルリン・エジプト博物館
2020~2021年に各地を巡回した「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」展にて入手。
カルナク(カルナック)神殿はアメン信仰の中心地で、アメン神官団が集った場所。
私のエジプト知識は、里中満智子先生の「アトンの娘」と山岸凉子先生のエジプトもののみ、という貧弱な状態ですが、たしかもともと多神教のアメンがあって、アメンホテプⅣ世の時代に、宗教改革で太陽神ラーの一神教であるアトン信仰が隆盛して、死後またアメン信仰が復活したんでしたっけ?
このホルさんは「アトンの娘」の舞台であるエジプト第18王朝から400~500年くらい下った第23王朝を生きた神官のおっさん。
こういった方形彫像は古代エジプトではよくみられますが、写真の角度やホルさんの表情などもあいまって、体調不良で見学している中学生のような印象。
エジプトではいろいろな神がいますが、ベスってやたらルックスが通俗的で異質です。舞踊と戦闘の神で、魔除けの意味もあったようです。庶民派の神といったところでしょうか。
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「アトンの娘」はエジプト第18王朝のアメンホテプⅣ世~ツタンカーメン~ホルエムヘブの流れがわかりやすくておススメです。ネフェルティティがとても魅力的なキャラクターで、宗教を絡めた心理描写も見事です。時代考証を厳密にした結果、登場人物全員が坊主で、ビジュアル的にきついところもありますが。
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次のページでは、中国・台湾のポストカードをご紹介します。
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