エコール・ド・パリを代表する画家の一人、モイーズ・キスリングのポストカードを集めました。
モイーズ・キスリング《若い女性》
モイーズ・キスリング《若い女性》, 1939年, 油彩, ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2014
2014年にBunkamuraザ・ミュージアムほか各地で開催された「夢見るフランス絵画 = The dream of French paintings : 印象派からエコール・ド・パリへ」にて購入したポストカードです。
キスリング独特のヌメっとした筆致は、若い女性の肌を表現するのにはぴったりです。
アイラインとまつ毛が一体になっていて不思議な色気があります。
カーディガンやスカートがゆがんでいて、全体的にシャキッとしていないのも面白い。
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モイーズ・キスリング《オランダ娘》
モイーズ・キスリング《オランダ娘》, 1933年, 油彩, 日本テレビ放送網(株)
2014年に森アーツセンターギャラリーにて開催された「こども展 名画にみるこどもと画家の絆」で購入したポストカードです。
オランダの民族衣装を身にまとった若い女性。鮮やかな衣装と、夢見るような青い瞳が印象的です。背景のグラデーションも美しい。
キスリングには他にも《オランダ娘》と題された作品が多数あります。
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モイーズ・キスリング《ベル=ガズー(コレット・ド・ジュヴネル)》
モイーズ・キスリング《ベル=ガズー(コレット・ド・ジュヴネル)》, 1933年, 油彩, カンティーニ美術館
2019年に東京都庭園美術館にて開催された「キスリング エコール・ド・パリの夢」で購入したポストカードです。
こちらの画は展覧会チラシのメインビジュアルにも選ばれました。
モデルを務めたのは『シェリー』『青い麦』などで知られるフランスの女性作家コレットの娘コレット・ド・ジュヴネル。「ベル=ガズー」は彼女の愛称です。
色彩感覚に優れたキスリングですが、この作品では特にチェック柄のワンピース、南国のような背景の植物、ブロンドの髪のバランスがすばらしい。
にっこり笑ったりしないで、無表情で瞳に影を落としているところがいいですね。
1913年生まれの彼女はこのとき芳紀20歳。後にはアニメーション映画のプロデューサーとして活動したそうです。母親と同様にバイセクシャルだったといわれています。
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モイーズ・キスリング《モンパルナスのキキ》
モイーズ・キスリング《モンパルナスのキキ》, 1925年, 油彩, ジュネーヴ プティ・パレ美術館
モデルは、画家にインスピレーションを与えるいわゆる“ミューズ”であり「モンパルナスの女王」といわれたアリス・プラン(通称キキ)です。
キキはマン・レイ、ユトリロ、モディリアーニ、スーティンそして藤田嗣治などのモデルを務め、マン・レイとは1930年ごろまで愛人関係にありました。
アーモンド型の大きな瞳、艶のある髪、そして青のスカーフと赤い服の取り合わせが艶めかしい。
この画ではすらりとしているキキですが、30を超えたころから太りだし妖精のような軽やかさは失われていきます。20代半ばのキキの全盛期を見事に切り出した作品です。
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モイーズ・キスリング《オランダ娘》
モイーズ・キスリング《オランダ娘》, 1922年, 油彩, 高畠アートコレクション
先ほどと同様に、オランダの民族衣装をまとった若い女性を題材にした画です。
ポストカードの裏面には大阪の国立国際美術館の所蔵と書かれているのですが、現在は高畠アートコレクションのようです。
むっちりとした二の腕を、何やら意味ありげに重ねています。髪の毛の質感描写が独特で面白いです。
椅子の背にもたれかかっているようですが、背景は極端に簡略化されて女性の姿を引き立てるようにしています。
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モイーズ・キスリング《ミモザの花束》
モイーズ・キスリング《ミモザの花束》, 1952年, 油彩, 丸紅
丸紅が所蔵するキスリング作品です。
2021年11月に丸紅ギャラリーが開館しましたので、今後はこの作品が見やすくなるのではないかと思います。
極端に色数を抑えることで、ボリュームのあるミモザの花束の存在感を示した作品です。
ミモザはキスリングの十八番で、これ以外にもいろいろとミモザの作品があります。
たとえば、こちら↓はパリ市立近代美術館の所蔵品。「キスリング エコール・ド・パリの夢」にて購入したポストカードです。
モイーズ・キスリング《ミモザの花束》, 1946年, 油彩, パリ市立近代美術館
次回はヨーロッパのやきもののポストカードの紹介をしようと思います。
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