【ポストカード】コレクション37 杉浦非水とレトロ広告

ポストカード

杉浦非水とその他日本のレトロ広告のポストカードです。

杉浦非水《春の新柄陳列会》


杉浦非水《春の新柄陳列会》, 1914年, アド・ミュージアム東京

アド・ミュージアム東京で購入したポストカードです。
杉浦非水はグラフィックデザイナーの草分けともいえる存在で、さまざまな図案を手がけました。

1908年に三越に入社した非水は、アール・ヌーヴォー様式に影響を受け斬新なデザインを次々と生み出します。
このポスターでは、三越呉服店のPR誌『みつこしタイムス』を手に(三越内の?)休憩室で花を愛でてくつろぐ婦人が描かれています。
和服姿ではありますが、着物の柄、調度品はアール・ヌーヴォーそのもの。和洋混交の洗練されたデザインです。

女性の瞳の描き方は、まるで後世の漫画のよう。美人画では鼻は印象に残らないように描くのがポイントだといいますが、はっきりとした鼻で、かつエレガントな印象があります。

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杉浦非水《東洋唯一の地下水道 上野浅草間開通》


杉浦非水《東洋唯一の地下水道 上野浅草間開通》, 1927年, 東京国立近代美術館

2019年に東京国立近代美術館にて開催された「イメージコレクター・杉浦非水」にて購入したポストカードです。

杉浦非水というと、このポスターを思い起こす人も多いのではないでしょうか。
1927年にアジア初となる地下鉄が東京の上野~浅草間で開通することを告知したポスターです。

電車がホームに入ろうとする瞬間を、線路側の視点でとらえた構図になっています。通常、こういったポスターを制作する場合、主役は電車にするところを、意気揚々と着飾って乗り込もうと待ち構える乗客たちが主役になっているのが面白いです。

《保健思想普及用ポスター》


《保健思想普及用ポスター》, 1920年?, 日本赤十字社

2012年に損保ジャパン東郷青児美術館(現SOMPO美術館)にて開催された「日本赤十字社所蔵アート」にて購入したポストカードです。
ちなみに、この展覧会のメインビジュアルに選ばれた小磯良平《集い》は本当に良い画でした。ポストカードを購入したはずですが、どこかにいってしまいました。

発行年がわからなかったのですが、スペインかぜ流行時(1918-1920年)のものでしょうか。「咳やくしやみをするときはハンケチで口鼻をおさへませう」と至極まっとうなメッセージが書かれています。ピンクのコートをきたかわいらしい女の子ですが、ちょっとつらそうな表情です。

《クラブ美身クリーム》


《クラブ美身クリーム》, 1935年?, アド・ミュージアム東京

中山太陽堂(現 株式会社クラブコスメチックス)が1935年に発売した「クラブ美身クリーム」の広告です。こちらもアド・ミュージアム東京で購入したポストカードです。

色っぽいふわっとした筆致で描かれた和風美人。その秘訣はこのクリームということなんでしょう。まつ毛の描き方が繊細で美しいです。

「クラブ美身クリーム」は顔だけでなく全身に仕える保湿クリームで、女性ホルモン配合とのこと。『ホルモンクリーム』とも呼ばれ、当時の大ヒット商品となったそうです。

なんとこの商品は現在も販売されています。現在はロイヤルゼリーエキス配合となっており、当時とは原料が異なるようです。パッケージもほぼそのまま。レトロな香りで好き嫌いが分かれるようですが、今度試してみようかな。
(参考資料:株式会社クラブコスメチックス沿革ページ)

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《上等紙巻煙草ヒーロー》


《上等紙巻煙草ヒーロー》, 1897年, アド・ミュージアム東京

こちらもアド・ミュージアム東京で購入したポストカードです。
セーラー服の白とバックの青がパキッとして決まっています。

「上等紙巻煙草ヒーロー」は、明治時代に「煙草王」と呼ばれた村井吉兵衛とその兄による村井兄弟商会が1894年に発売した大ヒット商品。

おまけとして「たばこカード」がついていたそうです。永谷園のお茶漬けの中に入っている「東海道五拾三次カード」みたいなもんかな?私が当時の喫煙者なら絶対あつめています・・・!

水兵の男の子がかっこつけながら煙草をくゆらせています。現代の観点からすると煙草を吸うには若すぎる子ですが当時は問題なかったのでしょう。
持っている「ヒーロー」はとても大きく感じますが、本当にこういう大きさだったのか、誇張しているのか。

次回は蕗谷虹児と高畠華宵作品のポストカードの紹介をしようと思います。

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