引き続き、少女が描かれた19世紀西洋絵画のポストカードをピックアップしてみました。
メアリー・カサット《青いひじ掛け椅子の少女》
メアリー・カサット《青いひじ掛け椅子の少女》, 油彩, 1878年, ワシントン・ナショナル・ギャラリー
国立西洋美術館にて2020年に開催された「ワシントン・ナショナル・ギャラリー」で購入したポストカードです。何度か日本にきている人気の画で、ポストカードも何種類かあるはずです。
ターコイズブルーのソファが、色白の少女を引き立たせています。
気だるげで挑戦的とすらいえるような少女のポーズに注目です。
ソファが全部で4台ありますが、面白い配置じゃないですか?よっぽど広い部屋なんですね。ソファを含めた背景は、メアリー・カサットと親しかったドガが描き直しているとのことです。
モデルはドガの友人の娘。隣の椅子で静かに眠る犬はカサットの愛犬で、19世紀後半に上流階級の女性の愛玩犬として大流行したブリュッセル・グリフォンです。
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ケイト・グリーナウェイ《お嬢さんたち》
ケイト・グリーナウェイ《お嬢さんたち》, 油彩, 1879年, リバプール国立美術館
2015年から2016年にかけてBunkamuraザ・ミュージアムにて開催された「英国の夢 ラファエル前派」で購入したポストカードです。
ケイト・グリーナウェイはラファエル前派の画家・挿絵画家で、児童書の挿絵で知られています。
ゴージャスな毛皮のコートとマフを身に着けた、やや暗い愁いのある表情のお嬢さんたち。
母親が子供服の店を経営していたということもあってか、緻密な服装描写にこだわりが感じられます。
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シャルル・ブラン《ジェルメーヌ・ピショの肖像》
シャルル・ブラン《ジェルメーヌ・ピショの肖像》, 油彩, 1881年, サント=クロワ美術館
2014年に森アーツセンターギャラリーにて開催された「こども展 名画にみるこどもと画家の絆」で購入したポストカードです。
シャルル・ル・ブランという、フランスのルイ14世の第一画家だった似た名前の芸術家がいますが関係はありません。他にも同名異人がおり、ありふれた名前のようです。
水色のリボンが真っ白な肌を引き立たせています。
富士額の正統派美少女です。子どもらしく「もちっ」とした二の腕や手が愛らしい。
こういう子どもをもつとうれしい反面、いつ誘拐されるか気が気ではないでしょうね。
もっとも、鳩は少し嫌がっているようです。「レース鳩0777」で正しい鳩の持ち方を学習しましたが、これだとちょっと鳩がつらいかもしれません。
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フェルナン・クノップフ《ジェルメーヌ・ヴィーナーの肖像》
フェルナン・クノップフ《ジェルメーヌ・ヴィーナーの肖像》, 油彩, 1893年頃, ベルギー王立美術館
2009年に損保ジャパン東郷青児美術館(現SOMPO美術館)にて開催された「ベルギー近代絵画のあゆみ : ベルギー王立美術館コレクション」で購入したポストカードです。
この子は何歳くらいでしょうか。体型はまるっきり子どもなのに、表情は大人というか中年女性のようにもみえます。アンバランスで、子どもというより大人のミニチュア版のようです。
クノップフは誰を描いても、顎がしっかりめ(画家の妹マルグリットの顎の形)になってしまうところが面白い。
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アルベルト・アンカー《イチゴを持つ少女》
アルベルト・アンカー《イチゴを持つ少女》, 油彩, 1884年, ローザンヌ美術館
Bunkamuraザ・ミュージアムにて2007年から2008年にかけて開催された「アンカー展 故郷スイスの村のぬくもり」にて購入したポストカードです。
アルベール・アンカーは1831年スイス生まれ。スイスの農村風景や子どもを描いて人気を博しました。この《イチゴを持つ少女》は、スイス人ならだれもが知るアンカーの代表作です。
素朴な村の少女を理想化することなくそのままの姿で描き出しています。少女に強い意思があるようにもみえるし、無意識のようにもみえる不思議な表情です。
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次回も引き続き、少女が描かれた19世紀西洋絵画のポストカードをご紹介します。
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