私の切手コレクションのなかから、お気に入りのものを紹介します。
前回に引き続き、東欧の絵画作品を題材にした切手です。おそらくポーランドで購入したものです。
黒い聖母とコルデッキ修道院長(1982年)
Madonna Częstochowska(ヤスナ・グラの聖母、黒い聖母)
黒い聖母とは、ポーランド南部の都市・チェンストホヴァのヤスナ・グラ修道院が所蔵するイコンです。聖母マリアの顔が、かつて修道院に火が点けられた時の煤で黒くなっているためその名がついています。
14世紀終わりごろにヤスナ・グラ修道院がつくられた際に寄進されたといわれていますが、詳細は不明です。
1430年、ヤスナ・グラ修道院に盗賊が押し入り損傷を受けたものの、国王の命により修復されました。その際についた傷は、聖母マリアの右頬に残っています。
1655年にスウェーデン軍がポーランドに侵入(「スウェーデン大洪水」)し、ヤスナ・グラ修道院も包囲されましたが、修道僧たちは最後まで屈服せず、籠城戦に成功しました。これは黒い聖母による御加護とされ、それ以降黒い聖母は「ポーランドの守護者」として広く一般にも崇拝されるようになったそうです。
テキスト:R. Dudzicki(おそらくデザイナー名)、PWPW(有価証券印刷所?)
こういう切手↓も持ってました。ヴィルトゥティ・ミリターリ勲章200周年記念切手です。
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Ojciec Augustyn Kordecki(アウグスティン・コルデッキ修道院長)
アウグスティン・コルデッキ修道院長を描いた絵を題材にした切手です。
この切手ではトリミングされていますが、実際の絵では左側に黒い聖母が掲げられており、黒い聖母に祈りをささげている構図です。
コルデッキ修道院長は、上で紹介したスウェーデン大洪水の際、ヤスナ・グラ修道院の修道院長として指揮をとり、修道院を守り抜きました。
テキスト:R. Dudzicki(おそらくデザイナー名)、PWPW(有価証券印刷所?)
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ヤン3世ソビェスキの肖像(1982年)
ヤン3世ソビェスキは17世紀後半のポーランド・リトアニア共和国の王。オスマン帝国との戦いで活躍し、1683年の第二次ウィーン包囲で勝利して英雄として名を馳せ、1674年に国王に選出されました。
4枚ありますが、作者や描かれた時期までは特定できませんでした。おそらくいくつかは、当時の宮廷画家Jerzy Siemiginowski-Eleuter(イェジー・シェミギノフスキ=エレウテル)が描いたものが混じっていると思われます。
左から2番目が一番凛々しいですね。とはいえ、わりととろんとした、色白のお顔立ちだったように見受けられます。
テキスト:S Małecki(おそらくデザイナー名)、PWPW(有価証券印刷所?)
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次回もひきつづき、東欧の絵画作品を題材にした切手をご紹介します。
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