漫画関連のポストカードコレクションです。
漫画のポストカードは意外と入手しにくく、たまに開催される漫画家の展覧会は貴重な場です。
根津の弥生美術館は漫画関係の展覧会が比較的多いのですが、ちょっと行きにくくてあまり行けていません。
絵画よりも比較的小さいサイズで見られることを前提としてつくられている漫画作品は、ポストカード映えすると感じます。もっといろんな作品のポストカードがつくられればいいなと思うのですが。
長谷川町子『ぞうのおまわりさん』
長谷川町子『ぞうのおまわりさん』, 1947年, 長谷川町子美術館
長谷川町子美術館にて購入したポストカードです。
長谷川町子は漫画家として活動しながら、絵本制作にも携わっていました。この『象のおまわりさん』(ポストカード裏面の表記では『ぞうのおまわりさん』)は、1947年27歳の時に初めて出版した絵本です。
色合いがすてきですね。みんなニコニコしていて眺めていると幸せな気分になってきます。
上の赤色の部分に、タイトルなどテキストが入る想定だったのかと思われます。
長谷川町子美術館のミュージアムショップはかなり充実していますのでおすすめです。
桜新町駅から少し歩きますが、周辺には長谷川町子ゆかりのスポットがありますので街歩きがてらいかれてはいかがでしょうか。
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馬場のぼる『ブウタン』
馬場のぼる『ブウタン』, 1955年頃
2021年に練馬区立美術館で開催された「没後20年 まるごと馬場のぼる展 描いた つくった 楽しんだ ニャゴ!」にて入手したものです。
『ブウタン』は「幼年ブック」に連載されたもので、第1回小学館漫画賞(1955年度)を受賞した作品です。主人公の豚ブウタンとその友達、わるい狼などが出てくる児童漫画です。
左のブウタンの友達は、下半身裸ですね。。いや、「下半身が裸に見える読者は大至急で病院に行くこと」ってことかな。(小林源文先生曰く)
お月様が笑っていてかわいらしい。書き文字も丸みがあってやさしい感じです。
昔の児童漫画は(今も?)読む順番を示す数字がコマ内に振られていましたね。
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寺田ヒロオ『スポーツマン佐助』
寺田ヒロオ『スポーツマン佐助』, 1957年頃
2020年から2021年にかけて豊島区立トキワ荘ミュージアムで開催された「トキワ荘のアニキ 寺田ヒロオ展」にて入手したポストカードです。
『スポーツマン佐助』は「野球少年」に1957年から連載された作品です。この絵では「猿飛」が入っていますが、正式なタイトルは『スポーツマン佐助』のようです。
甲賀忍者の十五代目猿飛佐助が山をおりて野球に出会い、大活躍するというお話とのことですが、私は未読。長らく入手困難でしたが現在は復刻版が出ており、藤子不二雄A先生の1万字インタビューも収載されています。
構図がいかにも児童向けエンタメで明快でよいですね。空の青に主人公の姿がよく映えています。
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樺島勝一『正チャンの冒険』
樺島勝一『正チャンの冒険』四の巻より, 1925年
2008年に弥生美術館で開催された「生誕120年記念 ペン画の神様 樺島勝一展」で入手したものです。
『正チャンの冒険』はキャラクター漫画の走りともいわれる作品。主人公の正チャン(しょうちゃん)と相棒のリスがさまざまな冒険をするというストーリーです。
タイトルを変えながら「アサヒグラフ」に1923年から1926年まで連載され人気を博しました。
ご覧の通り、西洋の絵本や漫画を思わせる画風で、フキダシがありつつもコマの外に縦書きで書かれたト書きが付いています。
正チャンがかぶっているボンボンがついた毛糸の帽子は「正チャン帽」と呼ばれ、当時の子どもたちの間で流行したそうです。
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横山隆一『春』
横山隆一『春』, 1988年, 川崎市市民ミュージアム
1936年から1971年までの長きにわたり、タイトルや掲載媒体を変えながら描き続けられた漫画「フクちゃん」で知られる横山隆一は、油彩画も多く手掛けています。
サーカスを思わせる一団が装飾的に描かれています。
ポストカードの裏面には、「横山隆一が好んで描くピエロを題材とした大作。当館のためにこの作品を制作するにあたり『ピエロはエンターテインメントの王様です』とのコメントを寄せている。」と記載があります。
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次回も引き続き漫画関連のポストカードをご紹介します。
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