【ポストカード】コレクション㉘ 少女その1

ポストカード

少女が描かれた19世紀西洋絵画のポストカードをピックアップしてみました。

コンスタンティーン・ハンセン《果物籠を持つ少女》


コンスタンティーン・ハンセン《果物籠を持つ少女》, 1827年頃, 油彩, デンマーク国立美術館

2020年に東京都美術館、山口県立美術館にて開催された「ハマスホイとデンマーク絵画」にて購入したポストカードです。

コンスタンティーン・ハンセンは「デンマーク黄金時代」を代表する芸術家の一人です。

やや緊張した面持ちの少女が果物籠を持っています。
腕のところの影の当たり方が面白い。果物は申し訳程度に描かれており、主役はやはり少女です。固く閉じられた口とまなざしに目が行きます。

ジャン=フランソワ・ミレー《犬を抱いた少女》


ジャン=フランソワ・ミレー《犬を抱いた少女》, 1844年, 油彩, 所蔵施設不明

2009年に閉館した青山ユニマット美術館にて購入したポストカードです。
2回しか行ったことがありませんが、落ち着いた雰囲気がある美術館でした。
ミレーのコレクションが充実していた記憶があります。現在はどこに所蔵されているのでしょうか。

犬を抱いてこちらを見つめ、微笑みを浮かべる少女。子どもながらすでに貴婦人の風格を持っていますね。

ジョン・エヴァレット・ミレイ《初めての説教》


ジョン・エヴァレット・ミレイ《初めての説教》, 1863年, 油彩, ギルドホール・アート・ギャラリー

ジャン=フランソワ・ミレーとジョン・エヴァレット・ミレイって、名前も活躍した時期も似てるし混乱しませんか?

こちらはとってもかわいいことで有名な画です。
赤い鮮やかなケープをまとった幼女が説教されています。真剣な眼差しが逆にかわいさを強めていますね。

この翌年描かれた《二度目の説教》では、説教を聞き疲れたのか、彼女は眠り込んでいます。残念ながら《二度目の説教》のポストカードは未入手です。

ウィリアム・アドルフ・ブークロー《愛しの小鳥》


ウィリアム・アドルフ・ブークロー《愛しの小鳥》, 1867年, 油彩, 山寺 後藤美術館

Bunkamuraザ・ミュージアムにて2013年に開催された「山寺 後藤美術館コレクション バルビゾンへの道」にて購入したポストカードです。

ブークローは19世紀フランスのアカデミズム絵画を代表する画家で、神話風景のほか、なめらかな筆致を残さない画風で愛くるしい少女を多く描きました。

説明不要のかわいさですね。かわいい少女にかわいい小鳥。手乗りでだいぶ慣れているようです。
上に光源があるため、一見ちょっと宗教画のような印象も受けますね。

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ウィリアム・アドルフ・ブークロー《少女》


ウィリアム・アドルフ・ブークロー《少女》, 1878年, 国立西洋美術館

引き続きブークロー作品です。祈りを捧げる幼い少女が描かれています。
とくに何か聖書や神話を題材にしたわけではなく、単にかわいい少女を描いているようです。モデルは娘でしょうか、近所の少女でしょうか。いまにも動き出しそうな、体温をもった少女の姿です。

国立西洋美術館の所蔵作品なので、会いたいときに会いに行ける少女です。(常設展も展示替えがあると思いますので事前に確認してください)

ミケーレ・ゴルディジャーニ《シルクのソファー》


ミケーレ・ゴルディジャーニ《シルクのソファー》, 油彩, 1879年, 東京富士美術館

ミケーレ・ゴルディジャーニはイタリア出身の肖像画家。1860年に知り合いだったカスティリオーネ伯爵夫人のつてでパリに移って名声を得たそうです。

カスティリオーネ伯爵夫人って聞き覚えが・・・『王たちのセックス』(エレノア・ハーマン著、高木玲訳、KKベストセラーズ)に出てきたナポレオン3世の愛人ですね。美しさと若さに慢心していた彼女は、捨てた夫から「きみの最大の友である鏡は、いつの日かきみの最大の敵になるだろう」と捨て台詞を吐かれたといいます。ナポレオン3世と別れ年を取ってからはアパルトマンに引きこもり、部屋を黒塗りにして犬たちと暮らしました。かつての夫の言葉通り、容色がおとろえてからは家にある鏡を全部裏返して過ごしていたとか。

話がそれましたが、この画の少女のかわいらしいことといったら!高級そうなシルクのソファにもたれかかり、すましたポーズでこちらをみています。
シルクの質感といい、やわらかそうな少女の肌といい卓越した技術を感じます。筆致を残さないなめらかな描きぶりは、当時の上流階級に好まれたでしょう。

次回も引き続き、少女が描かれた19世紀西洋絵画のポストカードをご紹介します。

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