切手は紙モノ(エフェメラ)ではありませんが、紙に関連するものとして今後取り上げていこうと思います。
家族の影響ではじめた切手蒐集
「切手蒐集」は、かつては“趣味の王様”でした。日本国民老いも若きも、陽キャも陰キャも切手を集めまくっていた時期が、確かにあったのです。
その全盛期は昭和の中ほどでしょうか。私の幼少期(1980年代後半~1990年代前半)にはすでに趣味人口は減っていたものの、年の離れた兄から譲り受けたヨーロッパの切手に興味を持ち少しずつ集めるようになりました。
最初に目にしたのがヨーロッパの切手でしたので、刷り込みのようなもので、なんとなく国内の切手には目がいかずヨーロッパ中心のコレクションになりました。
兄から譲り受けた、時代を感じるストックブック
私が切手に感じる3つの魅力
清少納言は枕草子のなかで「何も何も、小さきものは、みなうつくし」と記しました。
私が切手に感じる魅力の一つ目は、単純に小さくてかわいいということです(中には大きい切手もありますけど)。コンパクトなサイズに情報がつまっているのが面白いのです。
二つ目の魅力は、動植物、乗り物、歴史的建造物、有名人、歴史的事件、イベント、スポーツなどさまざまなジャンルの切手があり、自分の好みに応じて集められるということです。
私は国地域別に整理せず、ジャンル別に整理していますが、そうしますとおのずと国や地域の特徴や文化がうかがい知れるのも興味深いです。
三つ目の魅力は、何となく集めた切手から、さまざまな雑学・豆知識を得られるということです。
たとえばポーランドで購入した以下の切手。何かかっこいいなーくらいの意識で購入したのですが、後程調べてみると、1929年から1934年まで4回開催された航空レースについての切手であることがわかりました。1934年の大会(Challenge 1934)では、前回優勝者であるポーランド人パイロットが優勝したとのこと。
航空レースについて全く知りませんでしたし、知ろうともしていなかったので、この切手を入手しなければ一生Challenge 1934という単語に出会わなかったでしょう。
知ったところで、何になるわけでもないですけど、大げさに言えば人生がちょっと楽しくなるじゃないですか。
旅行先の郵便局、切手専門店で入手
私は主に海外旅行先で現地の切手を手に入れるようにしています。現地の郵便局、切手専門店に突撃するわけですが、何回経験しても緊張するものです。
現地語がわからなくても旅は楽しめますが、それはツーリストが行く場所や使う用語がある程度決まっているからです。接する現地人も対応に慣れた方が多いでしょう。しかし、郵便局とか切手専門店は違います。皆さん外国人慣れしていませんし、地元の人も奇異の目で見てきたりします。アウェー感が半端ないのです。
どこに住んでいても、いまや通信販売で世界中の切手を入手できます。しかし私は「現地で購入する」ことにこだわっています。多分、旅先の空気や緊張感も含めて楽しんでいるんだろうなと思います。
ニワカ者なのでお手柔らかに
いろいろと書きましたが、私の切手スキルはかなり低いです。たまに「郵趣」※1をパラ読みするくらいで、じっくり専門誌を読んだり同好会に入ったり、イベントに行ったりといった活動はしていません。
蒐集方法も、ジャンル別に何となくストックブックに集めているだけで、リーフ※2やマキシマムカード※3を作成した経験もなく、周りに切手仲間もおりませんので、切手蒐集家の皆さんがご覧になれば浅薄さが気になることかと思います。
今後、コレクションを紹介していきますが、あくまでニワカ者のしょうもないコレクションということで、お目こぼしいただければと思います。
東欧諸国、スペイン、イギリスの切手を中心に、マイペースで更新していきます。
次回は私が集めたヨハネ・パウロ2世の切手をご紹介します。
※1 郵趣
公益財団法人日本郵趣協会が発行する、郵便趣味を楽しむ専門誌(月刊)。1946年創刊。
※2 リーフ
専用台紙を用いて、切手などをジャンル別目的別に分類・整理し、切手を貼り込むとともに切手に関する情報や、関連する説明文を書き込んだもの。
※3 マキシマムカード
ポストカードの絵や写真の面に、それと関連する切手が貼られ、関連する場所の消印が押されたもの。消印の日付にも意図があるとなおよい。
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