古今東西のガラス工芸品のポストカードを集めました。
アフガニスタンの古いガラス、清朝ガラス、ドーム兄弟、ルネ・ラリック、ルイス・カムフォート・ティファニーの作品です。
《魚形フラスコ》
《魚形フラスコ》, 1世紀, アフガニスタン国立博物館
2016年に東京国立博物館にて開催された「黄金のアフガニスタン-守りぬかれたシルクロードの秘宝-」で購入したポストカードです。
展覧会タイトルが示す通り、金細工をはじめとした繊細な装飾品や文化財が展示されていましたが、私はこの素朴な《魚形フラスコ》が一番気に入りました。
とぼけた表情の魚です。ヒレ部分は欠損がありますが、とても細かくつくられていることがわかります。香油などを入れる容器だったのでしょうか。入れると中身が透けて見えるのかな。
|
清朝ガラス《黄地黒被せ花文瓶》
清朝ガラス《黄地黒被せ花文瓶》, 18世紀(清朝), 町田市立博物館
残念ながら2019年をもって閉館となった町田市立博物館の所蔵品です。
一見、やきもののようにみえますがガラスです。黄色の着色ガラスの上に黒のガラスが被せてあります。当然、冷えて固まらないうちに巻き付けなければならないわけで、大変な作業だったことでしょう。
清朝では歴代の皇帝がガラス工芸を庇護し、その技術が多いに発展したそうです。
|
ドーム兄弟ガラス工房《チューリップを描いた花器》
ドーム兄弟ガラス工房《チューリップを描いた花器》, 1895年, エルミタージュ美術館
2011年に東京都庭園美術館にて開催された「国立エルミタージュ美術館所蔵 皇帝の愛したガラス」で購入したポストカードです。
19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍したガラス工芸家・ドーム兄弟のガラス工房でつくられた花器です。
透明ガラスの下地に、エナメル彩で描かれているのでしょうか。
開ききった朱色のチューリップが大胆に配されています。
この花器を実際に使用する際はやっぱりチューリップになるのかしらん。
|
ルネ・ラリック《香水瓶「ユーカリ」》
ルネ・ラリック《香水瓶「ユーカリ」》, 1919年, 高砂コレクション
2020年から2021年にかけて、パナソニック汐留美術館ほか各地を巡回した「香りの器 高砂コレクション」にて購入したポストカードです。
日本最大の香料メーカーである高砂香料工業のコレクションから、「香り」にまつわる工芸品を展示する展覧会で、【展覧会チラシ】2021年上半期 私的ベスト10でも紹介しています。
ドーム兄弟と同世代を生きたフランスのガラス工芸家、デザイナーのルネ・ラリックによる作品です。
蓋の部分がユーカリの葉と実になっているわけです。葉脈の繊細な表現がすばらしいですね。
ただし、開けづらく壊れやすそうで実用性は低そう。飾りですね。
|
ルイス・カムフォート・ティファニー《孔雀文花器》
ルイス・カムフォート・ティファニー《孔雀文花器》, 1898年以前, ブダペスト国立工芸美術館
2021年にパナソニック汐留美術館にて開催された「ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」で購入したポストカードです。
こちらはアール・ヌーヴォーのガラス工芸品を多くデザインしたルイス・カムフォート・ティファニーの作品です。彼はティファニー社創業者の息子で、父親の死後はティファニー本社のアーティスト・ディレクターとして活動しました。
孔雀の羽をモチーフにした美しい曲線をたたえた、うっとりする色合いのガラス作品です。光の当たり具合でまた違った顔を見せるのかもしれません。
|
次回は日本のやきもののポストカードの紹介をしようと思います。
コメント