19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍したアメリカ人女性画家、メアリー・カサットとヘレン・ハイドの作品のポストカードです。
メアリー・カサット《手紙》
メアリー・カサット《手紙》, 1890-1891年, アメリカ議会図書館
2016年に横浜美術館にて開催された「メアリー・カサット」で購入したポストカードです。
メアリー・カサットは1844年生まれのアメリカ人女性画家で、印象派に属する画家の一人です。
【ポストカード】コレクション㉙ 少女その2でも《青いひじ掛け椅子の少女》をご紹介しました。
手紙を書き終えた女性が封をしようと封筒をなめているところです。
こうした他人のしぐさを日常でみることはほぼありませんから、のぞき見をしているような、少しエロティックな印象さえ感じる作品です。
壁紙と家具、洋服の抑えた色合いが美しい。指の描きぶりは少しおおざっぱなような気がしますが。
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メアリー・カサット《浴女》
《浴女》, 1890-1891年, 版画 , ワシントン・ナショナル・ギャラリー
2011年に国立新美術館等にて開催された「ワシントン・ナショナル・ギャラリー 印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション」で購入したポストカードです。
《浴女》は、カサットが1891年に初の個展を開いた際に発表した10点のうちの1点。
半裸で顔を洗う女性。その背中の表現はカサットの良き理解者だったエドガー・ドガから絶賛されたそうです。
正確な人体の構造ではないような気もしますが、流れるような肩と背中のラインにじっと見入ってしまいますね。
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メアリー・カサット《入浴》
メアリー・カサット《入浴》, 1890年, 版画, ワシントン・ナショナル・ギャラリー
こちらも「ワシントン・ナショナル・ギャラリー 印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション」で購入したポストカードです。
先ほどの《浴女》と同様に、1891年の初個展にて発表した作品です。こちらの1色刷りも存在します。
母の黄色のドレス、盥の水色が対になっていて美しい。その平坦な描きぶりは日本の浮世絵に影響を受けていることは明らかです。
この子ども、結構大きくないか……?赤ちゃんのような体形なのにだいぶ年がいっているようにもみえるのですが。
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メアリー・カサット《アヒルの餌づけ》
メアリー・カサット《アヒルの餌づけ》, 1894年頃, メトロポリタン美術館
2016年に横浜美術館にて開催された「メアリー・カサット」で購入したポストカードです。
ボートに乗った2人の女性と幼い子どもがアヒルと鴨に餌をあげています。右の女性は、身を乗り上げようとする子どもを見守っていることが体勢や手の感じでわかります。
画のバランスをとるためなのか、右上に顔を水面に突っ込んでいるアヒルがいるのがかわいいです。
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ヘレン・ハイド《かたこと》
ヘレン・ハイド《かたこと》, 1908年, 版画, 横浜美術館
ヘレン・ハイドはメアリー・カサットより16歳ほど年下の、同じくアメリカ出身の女性画家です。
ジャポニズム、とりわけ浮世絵に強い影響を受けた版画を多く制作し、この《かたこと》はシアトルで開催された『アラスカ-ユーコン-パシフィック』展において金賞を受賞したとのこと。
ジャポニズムの画家が描く着物は、着物に詳しくない私がみても着付けなどに「???」と感じるものが多いですが、ヘレン・ハイドは来日経験があり実際に日本人が着物を着ている姿を見ているせいか、とても自然です。
表情、手のしぐさなど細かい部分に母と子の愛情、絆を感じさせる作品です。
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次回はギュスターヴ・カイユボットのポストカードの紹介をしようと思います。
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